
はじめに
WordPressのバックアップに便利な「BackWPup」。
今回、実際に使ってみたところ、バックアップファイル作成中にエラーが発生しました。
本記事ではその詳細と、対応策をまとめます。
検証環境
- プラグイン:BackWPup Free版使用
- バックアップ先:サーバー内(プラグインフォルダ)
- サーバ:WebARENA SuiteX
- 参考:meshikui.com – BackWPupのエラーをようやく解決した話
を参考に、「スクリプトの実行時間を60秒」「サーバーの負荷を軽減を最小」の設定で6月の時点では成功していたのですが、その後、画像やPDFなどの大容量データを追加したことで状況が変化。
エラーの発生状況
- バックアップ対象:データベース → 正常完了
- ファイル → エラー
- それでも1GBのバックアップファイルは生成された(中身は中途半端だった)
ログには以下のようなメッセージが出力:
エラー: シグナル"SIGXCPU"(CPU の時間制限を超えました)
警告: zip アーカイブへ "/(メディアファイルフォルダ名)/2025/" を追加できません
考えられる原因
- 特定フォルダの容量やファイル数が多く、処理が重くなった
- 圧縮形式がCPU負荷の高いZip
- サーバーのスクリプト実行時間(CPU時間)制限
検証開始
サーバーの制限が原因かもしれない?
今回の環境(SuiteX)では、以下のような制限があります:
/tmp ディレクトリの使用容量が最大30MB
これは、バックアップ処理時にファイルの一時的な圧縮・展開を行う領域であり、メディアファイルやテーマファイルなどサイズが大きい場合に支障をきたすことがあるようです。ログには zipアーカイブに追加できない
、SIGXCPU(CPU時間制限)
といったメッセージが出ていましたが、実際にはこの一時領域不足も原因のひとつとして絡んでいた可能性があります。ですので、php.iniにsys_temp_dirの設定をおこなって、テスト。
結果的にはあまり関係ないというか、シグナル”SIGXCPU”(CPU の時間制限を超えました)というエラーはなくならなかった
圧縮形式を変えてみる
tar.gzに変えてみましたが、こちらも実行途中でエラーがでて止まりました。
サーバーの負荷を軽減を見直す
参考にしたブログでは「最小」とあったけど、BackWPupには「サーバーの負荷を軽減」という項目があり、「無効/最小/中ぐらい/最大」といった選択肢があります。一見「最大=負荷の高さ」と思っていたけど「最大=負荷を軽減」という意味のよう。
つまり、「最大」を選ぶことで、バックアップ処理中に意図的に休み時間を入れてCPU使用率を抑えてくれます。ただし、処理はかなり遅くなります。
BackWPup の設定項目にある「サーバーの負荷を軽減」は、バックアップ処理中のCPU使用率や処理頻度を抑えるかどうかを調整するオプション。
「中」にしてみたら、初めて「tar.gz」が最後まで生成された、が、「シグナル”SIGXCPU”(CPU の時間制限を超えました)」というエラーで中断
【ついに成功】tar形式+「中」設定で完全バックアップ!
これまで zip
や tar.gz
形式で次々と失敗してきた中、
圧縮なしの「tar」形式に設定を変更し、さらに「サーバーの負荷軽減」を「中」にしたところ、
ついに完全なバックアップが成功しました!
- アーカイブ形式:
tar
- 負荷軽減設定:
中
- 所要時間:4分13秒(253秒)
- 完成ファイルサイズ:約1GB以上
- ファイル数:6,986個
ログにも一切のエラーはなく、アーカイブファイルの展開・中身確認も問題なし。
共用サーバ(WebARENA SuiteX)環境でも、正しい設定をすれば大容量バックアップが可能ということが実証できました。
管理画面からのダウンロードは要注意!
tar形式で大容量バックアップが成功したあと、管理画面から「ダウンロード」ボタンを使ってファイルを取得しようとしたところ、
実ファイルが約1GB以上あるにも関わらず、ダウンロードされたのは1.4MBの破損ファイルでした。
これは、WordPress管理画面がPHPを通してファイルを出力しているため、メモリ制限・実行時間制限・出力バッファの制限などにより、正常に送信できなかった可能性が高いです。
特に、共用サーバ(WebARENA SuiteXなど)ではこうした制限が強いため、管理画面からのバックアップファイル取得はおすすめしません。
安全な方法:FTPやファイルマネージャを使って、
wp-content/uploads/backwpup-xxxxx/
から直接取得!
最後に:WebARENA環境でBackWPupを使うには?
WebARENA SuiteX環境でもBackWPupは使えますが、
いくつかの**制約(CPU時間、圧縮形式、ダウンロード手段)**を理解しておく必要があります。
特に、初心者の方や管理者以外の操作を想定する場合、FTPによる取得方法の説明や補助が不可欠です。
今後は、より柔軟なバックアップ方法や、VPS・クラウド環境の利用も視野に入れると良いかもしれません。
まとめ
- WebARENA SuiteXでは、tar形式&負荷軽減「中」が安定
- バックアップはFTPでの取得が必須
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